From 1964 in SHONAN  CHIGASAKI

つるみね通り動物病院

小動物歯科

歯石を取るのが目的ではなく、歯石による歯肉内に発生した歯周病を治療することが目的です。
歯周病は歯槽骨が腐って顎を壊す病気です。

 ペットの歯科疾患というとイコール“歯石の除去すなわちスケーリング”“歯磨きの延長?”と思われる方も多いかもしれませんが、
実は我々獣医師が治療として着目しているのは歯石ではなく、歯肉の中に隠れた歯周病なのです。
もちろん歯そのものの疾患もありますが、犬猫の8割以上が歯肉の中にある歯周病に罹患していると言われています。
“見るポイントは歯の見えるところではなく、歯肉内に隠れた病変部位。すなわち歯周病です。”
これらの歯周病菌が口臭、歯槽膿漏 、根尖膿瘍(歯根部蓄膿)の原因となり、ひいては慢性鼻炎、肺炎、心臓病、脊椎疾患の原因になることも知られています。
歯周病は顎を壊す病気です。
動物病院での治療は、歯を抜くのが目的ではなく、顎の壊れる病気を食い止めるのが目的です。

そうなる前にキチンと検診し早めに治してあげたいですね。

 当院ではこれらの歯周病菌が引き起こす疾患の予防として、定期的なスケーリングをおすすめしています。
そうすれば抜歯をすることなく、健康な歯と口を維持することができます。

根尖膿瘍(眼下蓄膿)

           

問診
 痛みや流涎、口臭などの症状をお聞きします。
そして口腔内のチェックとして、口臭、歯冠の歯石沈着、歯肉の腫れなどをチェックします。
ただし、動物の場合はこの時点では歯周ポケットの確定診断が出来ませんので、
麻酔をかけさせてもらった後に歯周ポケットの深さなど細かいチェックを行います。
この時点では仮診断となります。
 

手術前検査 :全身状態をチェックします
 血液検査・胸部レントゲンなどの一般的な術前検査を行います。
 

【 口腔内の検査 】
@口腔内を肉眼的かつ触診を交えて細かくチェックします。
  歯周病がある場合は歯周ポケットの深さや歯根のダメージをチェックします。

   ※私たちが着目するのは、歯石ではなく腫れた歯肉と萎縮した歯肉です。
A歯科用レントゲンを用いて肉眼的に見えない歯根元や顎骨に病変(歯周病による)があるか確認します。

Bこの時点で確定診断とし治療を行います。

  歯周病が軽度の場合と進行した場合で治療方針が異なります。
この時点で飼主様にご連絡させていただき処置もしくは手術に入ります。
主な治療内容は下記のとおりです。

軽度の歯周病の治療
スケーリング、ポリッシング、歯周ポケットの処置を行います。
当院では超音波スケーラー装置とハンドスケーラーを使用し歯冠および歯肉内の歯石除去を行います。
その後、半導体レーザーという機器を使用し歯肉内の歯周病治療を行います。
半導体レーザーの歯肉内照射は歯周ポケット内に存在する感染汚物を消失させます。この治療は炎症を抑え、鎮痛効果にも有効です。
最後は抗菌剤を歯肉内に投与し終了です。
歯周病の治療、再発防止にはこのような一連の処置が重要となります。歯冠の歯石除去のみでは歯周病の治療にはなりません。

1. スケーリング

超音波振動装置やハンドスケーラーなどを利用して、歯の表面だけではなく、裏側の歯周ポケットも丁寧に歯石を取り除きます。
超音波振動装置は注水下で歯石を粉砕し除去します。この装置の使用により短い時間で効率がよ くスケーリングが出来ます。

2. ポリッシング

歯の表面は肉眼では見えにくいですが、歯石や摩耗により傷がたくさん着いています。
専用クリームで歯の表面を丁寧に研磨することで、
表面を円滑にし歯石の沈着防止や綺麗な状態を維持することができます。

3. 歯周ポケットの治療:半導体レーザー

半導体レーザーで歯周病菌によって生じた歯周ポケットの治療を行います。
レーザーを照射することにより歯周病菌を殺菌し鎮痛効果も得られます。
また歯肉の引き締め効果から再発の防止にもなります。
この歯周ポケットの治療がスケーリングには重要です。

口臭もかなり改善しますよ。

4. 歯周ポケットの治療:抗菌剤の注入

そして最後はレーザー治療と並行して歯周病細菌に対して効果のある薬(抗菌薬)を併用します。

抗菌療法は、通常の歯周病治療と比較して多くの研究論文でその効果が実証されています。

この抗菌療法も歯周ポケットの治療には重要です。

5.退 院
 午後6時頃には退院することができます。

 
スケーリング前 スケーリング後
治療前 治療後

【 進行した歯周病の治療 】
 歯周病が重度で根尖膿瘍(歯根部蓄膿)や、上顎骨あるいは下顎骨の骨融解などが発生しているケースでは口腔外科が適応となります。


 
最後はスケーリング、ポリッシング、歯周ポケット内のレーザー照射、抗菌剤の注入を行い終了です。

 

※近年無麻酔下による一般の方、一部の施設によるスケーリングが横行し口腔トラブルが多発しております。
スケーリングの際に使用するスケーラーは先端が鋭く刃物の形状となっています。
無麻酔でのスケーリングは動物が動いた際に舌や歯肉を切ったり歯が欠けたりと大怪我をすることがあります。
歯周病により弱くなった歯を無理やり抜くことで顎の骨が折れたりすることもあります。
仮にうまくいったとしても、処置中に動物は多大な精神的苦痛を負うことになり一生涯のトラウマになりかねません。
これらの危険性につきましては日本小動物歯科研究会も警鐘を鳴らしております。
決して安易に無麻酔下での処置を行わず、必ず動物病院にご相談ください。

★ 日本小動物歯科研究会  (当院は会員です)
★ 無麻酔下における歯石除去について 

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